by SOrow in  

俺ギャルアナザー舞子少女

俺たちのギャルゲを作るに先立ち、ティラノではこんな感じでシナリオ入れていきますよサンプルとして、とあるシナリオを用意しました。共同制作なので、制作方法を分かりやすく共有するためですね。今見るとギャグの押し売りがひどいな!という感じのシナリオですが、出す場所も特にないので上げてみます。アナザー舞子です。舞子少女です。何となく少女になっていました。主人公が俺ギャル時よりも度を越して変人です。マサオ君系統の世界人です。下のボタンをクリックするとシナリオが展開します。俺ギャル舞子ルートのネタバレ要素もありますので、未プレイの方はお気をつけください。といっても別人なのでそれほど関係ない気がしないでもないです。背景表示や立ち絵表示の方法とかのサンプルとなるように作ったので、ポンポン進みます。しかし主人公がくどいです。君は使われぬ運命だったのだ……。


俺ギャルアナザー舞子少女

 駆け回ることもなく俺の右手にあった麦わら帽子は元々の所持者に返還された。それもこれも、さっきまでの風の方角を教えてくれたあの少女のおかげだ。礼を言わなきゃ男が廃る。

 幸い少女はさっき俺が声をかけた地点から、もやしほどの大きさに見える距離しか離れていなかった。この義矢留家にかかればダッシュ一つで縮められるディスタンスだ。

「へい、先ほどの少女!」
 俺はダッシュ一つで少女とのディスタンスを縮め、声をかけた。この義矢留家、逃げ足の速さだけでなく、追尾の速さにも自信がある。
「え? ああ、さっきのお兄さん」
 少女はほどよい微笑で出迎えてくれた。俺のことを覚えてくれたらしい。何という素敵な少女か! これは心づくしの礼を食らわせるが男の本懐だろう。
「ありがとう、おかげさまで麦わら帽子の持ち主が見つかったぜ。改めまして、俺は義矢留家作郎だ」
「んーと、私は丼舞子です。でも別に何もしてないよ」
「いや、君のお告げがなけりゃあ俺なんて海辺をきりもみ回転して巨大なオクトパスに呑まれてジ・エンドだったってなもんだ。是非ともお礼をさせてくれないか」
「お礼なんていいって。ほんとに何もしてないし」
「いや、君にお礼ができないとなっては俺は半殺しで生殺しのゾンビと同じ存在になっちまう、どうか大人しく昼飯を奢らせてくれ!」
 俺は舞子少女に叫んでいた。それほど俺の返報精神は外界に噴出することを望んでいたのだ。奢らせてくれ!
「えー。あとで取り立てたりしない?」
「どんとウォーリー、舞子殿。この義矢留家作郎、貸した金を返してもらえなかった率100%を誇る者。あげた金を取り立てるなどできようものか!」
「……なんか苦労してそうだね、義矢留家さん」
「俺の苦労なんぞ駆除を運命づけられたウチダザリガニほどではないから安心してくれ」
「どうやって安心していいか分かんないよ、それ」
 舞子少女は困惑と警戒と諦めがないまぜになった表情で俺を見る。年恰好に似合わず老成した表情だ。これはいけない。ぴちぴちぱつぱつのギャルを不安にさせるなど、天が許しても俺が許せない。迅速に安心情報を提供しなければ!
「では改めまして、安心めされよ舞子殿。この義矢留家作郎、不純異性交遊の不達成率にかけては100%を誇る者。君の半径30センチ以内には決して立ち入らないことを約束しよう!」
「……………………うーん。悪い人じゃなさそうだけどなあ」
少しは警戒を解いてくれただろうか。これは更なる安心情報が必要だ。
「そうだ、俺は決して悪人じゃないぜ。親の財布に手をつけたこともない。一週間なら水だけでも暮らせるからな」
「……貧乏なの?」
「いや、大丈夫だ。今俺の懐には剥き身の十万が入っている。安心しろ」
 やはり出かける際には現ナマがあった方が心強い。
「いやいやいや。逆に安心できないよ、そんなこと会ったばっかりの私に言うなんて。私が極悪追い剥ぎ集団の一味だったら義矢留家さん狙われちゃってるところだよ」
 舞子少女は心配をしてくれた。優しい子だ。しかし、
「その年恰好で追い剥ぎなんて言葉を知っているとは……舞子君。君は文学少女だな!」
「そ、そこなの?」
「さては夏目漱石を熟読しているだろう。愛読書は『それから』だ!」
「うーん、夏目漱石は読んだことあるけど、愛読書まではないかなあ……」
「くっ、この俺の目に狂いが!?」
 老眼にはまだ早いぞ!?
「というか、そもそも文学少女じゃないと思う。小説は好きだけどね」
「いや、君は文学少女に違いない。なぜなら君のその肩のあたりからそんなオーラが漂っているような気がするからだ」
「気のせいじゃない?」
「そうかもしれない」
「そんなアッサリ?」
「ではとりあえず、そこのラーメン屋で昼飯としよう。君が文学少女かどうかはそこで改めて議論する決意をたった今俺は固めた」
 俺が指差した先には『海ラーメン』という錆びた看板がある。そう、昼に海で食うならラーメンだ。これは譲れない俺の海の旅ポリシーだ。神は申された、海産物があるところにラーメンあり。地上の民よ、食らい尽くしたまえ。
「……ラーメンって、冷やし中華?」
「いや、ホットラーメンだ。それともうどんの方がいいか?」
「冷やしうどん?」
「いや、ホットうどんだ」
「な、何でこの暑さでホットにこだわるの……?」
 確かに暑い。夏の暑さだ。お日様ギラギラ、潮風ベタベタ。だが、そんな暑さの中でこそ得られるものもある。
「それはな、舞子君。食後のソフトクリームの美味さを全身で感じるためなのだよ!」
「……なるほど」
「では、いざ行かん、我らがラーメンキングダムへ!」
「私たちのじゃないと思うけど……まあいっか」

 『海ラーメン』なるラーメン屋には、『海ラーメン』という海産物がテンコ盛りとなったラーメンがあった。これぞ看板通りのラーメン屋、俺の期待を上回る表現力を持ったラーメン屋だ。古びれた店内、漂う潮の香り、カウンターでスポーツ新聞を読んでいる観光客には到底見えない作業服のおやじ。風光明媚なラーメン屋とは違った生々しさがたまらない。
 お冷を運んで来たおかみさんに、俺は早速『海ラーメン』を頼んだ。舞子少女も『海ラーメン』を頼んだ。と、
「ここに入るの初めてだなあ」
 舞子少女がしみじみと言う。
「舞子君、この店は知っていたのかね?」
「うん。看板はいっつも見てたから」
「散歩コースということか」
「んー、そうだね。散歩。今日も散歩、だった」
「散歩か。というとおうちはこのあたりか」
 そこまで言って俺は重大な危険性に気付き、即座に「いや」と続けた。
「答えなくていいぞ舞子君、いや答えてはいけない。こんな素性の怪しい男に家の場所を安易に教えるのはハルマゲドンが爆発するよりも恐ろしいことだ」
「ハルマゲドンって爆発するの?」
 どうなのだろう。というかハルマゲドンとは何だったか。思い出そうとするもブルースウィリスの頭しか出てこない。
「それにしても海辺の散歩とはシャレたものだな」
「義矢留家さん、適当に話してるよね」
「いや、俺はいつも全力投球だ」
 そう、ハルマゲドンが何だったかはド忘れしたが、俺は常に目の前に事物に全力を叩きこむ男なのだ。
「うーん。全力なのは分かるかも」
「しかし舞子君、会ったばかりの怪しい男にラーメンとソフトクリームを奢らせるまではいいとしても、家のありかを教えちゃいけないぞ。ドゥーユーアンダスタン?」
「イ、イエスアイドゥー?」
「アイムファインセキュー!」
「そうですか」
「そうです」
「……んー。義矢留家さんのおうちはどこなの?」
「俺のおうちか。俺は根無し草だからな。おうちと名のつくものは持っていないぜ」
「えーと、ルンペン?」
「舞子君、君の語彙力におじさんはもう五体投地だよ」
「えーと……ごたいとうち……ごたいとうち……」
 スマホで調べるという手があったか! ハルマゲドン! だが今五体投地を調べられると俺の肉体の状態を見て言っていることとやっていることが違う攻撃を受けかねない。もちろん俺はいつでも五体投地の体勢を取れるのだが、ラーメン屋では遠慮をしたい。
「いやググらなくていい舞子君。つまりラーメンとの戦いを控えた我々にスマホのスープ降下を許す余地はない!」
「あ、ラーメンだ」
そこにラーメンがやってきた。神はいつもお恵みを下さるのだ!
「さあラーメンだ!」

「ウマイ!」
 これぞ『海ラーメン』! 漂う海の香り! 貝! 甲殻類! 海藻! 濃厚な海のダシ! それを絡めるラーメン! ウマイ! ウマイぞお!
「うう、暑い……」
「ウマイだろう舞子君!」
「うん、美味しい、けど熱い……」
「耐えろ、耐えるんだ。その暑さを耐えた先にはソフトクリームが待っているぞ!」
「うー……美味しい……でも熱い……暑いィ……」

「ふー、ごちそうさまでしたー」
 俺も舞子少女も汗を垂れ流しながら完食を果たした。海辺の街に相応しい『海ラーメン』だった。
「これを食べられただけで、今日のノルマはもう達成したようなものだ……」
「ノルマって?」
「幸せランチノルマだよ。これを達成できない日が一週間続くと、虎の子の100円も食事代に使われることになる」
「……奢ってもらっちゃっていいのかな?」
「言ったじゃないか、俺には――」
「いやいやそれは言わないで危ないから。うん、分かった奢ってもらうからお金払ってね」
「任せてくれ。なぜなら俺には――」
「だーかーらー!」

 そういう次第で俺はラーメン代税込み1440円を払い、店主とおかみさんに美味かった海ラーメンへの感謝を告げて、舞子少女と一緒に外へと出た。
 相変わらず日差しは強い。
「では舞子君、ソフトクリームショップに案内をしてくれ」
「はーい」
 すたすたと歩き出す舞子少女。俺も遅れないようにスタスタとついていく。と、
「って義矢留家さん、お店の場所知らないの?」
「ああ」
「……もしかして。あるって知らなかった?」
「いや、観光地には必ずソフトクリームショップがあるはずだと俺の第六感が断言していた」
「無責任だなー」
「何を言う、税金は納めているぞ!」
「ルンペンじゃないの?」
「俺はさすらいのアルバイターさ」
「さすらってるの?」
「北から南から東から西からな」
「じゃあ、沖縄に行ったことある?」
「ああ。山羊が美味かった」
「北海道は?」
「ああ。羊が美味かった」
「青森は?」
「ああ。マグロが美味かった」
「食べ物ばっかりだね」
「政治と宗教と野球の話はしない方がスマートだろう」
「んー、食べ物も好みが分かれると思うんだけど……」
「歴然たる主義主張がなければ大丈夫だ。安心しなさい」
「やっぱりどう安心していいのか分かんないよ」
「なら、今生きているこの世界に安心すればいいさ」
「うーん、聞いてるだけだとカッコイイんだけどなあ……」
 真面目に呟く舞子少女。言葉だけでもカッコイイと評価を受けるのはやぶさかではない。これからソフトクリームが待っていると思えば心も踊る。俺がウキウキしながら踵を進めていると、不意に舞子少女が言った。
「ここ、散歩コースだったんだよね」
「だった?」
「うん。うち、犬飼ってたの。私が散歩に連れてってたんだ、休みの日は」
「そうか。思い出の散歩道か」
「うん。この前死んじゃったんだけど」
 だった、というのはそういうことか。舞子少女はしばらく黙ってから、ぽつりと零す。
「なんか、散歩しちゃうんだよね。一人で。あの子はもういないのに」
 その顔には寂しげな笑みが浮かんでいた。舞子少女にとってその犬は、かけがえのない存在だったのだろう。そう確信させるに十分な情緒が幼くも未熟ではない顔に満ちていた。そうか――。
「そこまで思ってもらえるとは、亡くなったランスロット君もさぞ嬉しいことだろうな」
「いや、うちの犬ランスロットって名前じゃないです。ルーです。あと女の子です」
「それは失敬。呼びやすい名前だな、ルー君。もといルーちゃん」
「父さんがつけたんだよね。私はマロンってつけたかったんだけど」
「マロンか。栗なら茨城だな」
「食べたの?」
「食べたさ。美味かったさ。抜群だったさ」
「へー。あ、そこだよお店」
「もうか!」
 そして俺たちはこのうだるような暑さを最高のスパイスに変えてくれる、ソフトクリームショップに辿りついたのだった。

 観光地の相場らしい一個300円のソフトクリームを上から一気に頬張ると、たまらない冷たさと滑らかさと濃厚な牛乳の味が口全体に広がった。
「美味い!」
「んー! 最高!」
 幸せそうに舞子少女は笑う。これは美味い。暑い中で食べるとますます美味い。濃厚なのに後味サッパリというのが口を休ませない。俺と舞子少女は一心不乱に今にも溶けいくソフトクリームを食べた。
「あー、美味しい。ここのソフトも初めて食べたなー」
 舞子少女は嬉しそうに笑いながら言った。そこにはこちらまでつられて笑ってしまうような幸せさが満ちていた。何もないのにはるか彼方の幸せがすぐ傍にある錯覚を与えてくれるような笑みだ。彼女の家族はきっと幸せに違いない。そう信じることに一つのやましさも感じさせない、素晴らしい舞子少女だった。
「ルーちゃんは幸せだったな」
 俺はつい言っていた。舞子少女が俺を向く。キョトンという擬音のよく似合う顔をしている。会話が繋がっていなかったか。だが俺はもう一度、もっと強い声で言った。
「君みたいな家族がいてくれて、ルーちゃんは幸せだったと俺は思うぜ」
 短い時間一緒にいただけだが、舞子少女の優しい人柄は伝わってくる。彼女に不在を寂しがってもらえることは、家族となった者にとって大層な幸せだったに違いない。
 舞子少女は相変わらずキョトンとした顔だった。だが先ほどよりは話を呑み込んでいる風情も出ていた。そんなこと思いもしなかった、という思考がほんのりと伝わってきた。それから複雑そうな顔になって、少し考え込んでから、舞子少女ははにかんだ。
「……ありがと、義矢留家さん」
 礼を言われるには、俺の言葉は足りなかった――舞子少女に『幸せ』という言葉の定義を考えさせるほどには。だから俺は彼女に謝った。
「いや、すまんな舞子君。俺にイタコの術があればもっと正確なルーちゃんの言葉を伝えてあげられたんだが……」
「いや、そんな非科学的なことされても引いちゃうよ」
「なんと、科学的な視点を持っているとは……さては舞子君、理系女子だな! リケジョだな!」
「そうでもないよ?」
「そうか」
「やっぱ早いね、引き下がるの」
「何事も引き際を見極めるのが肝心だ。というわけで舞子君、俺はそろそろ失礼しよう」
「え、もう?」
 舞子少女が意外そうに言った。名残惜しさを感じてもらえたならそれだけで俺の存在意義も0.5%アップする。これ以上の幸運もない。
「ああ。俺はさすらいのアルバイター。次なるバイト先に向かわねばならんのだ」
「そっか。うん、そうだね。ありがとう、義矢留家さん。ラーメンとソフトクリーム奢ってもらって」
「礼など不要だ舞子君。君のおかげで麦わら帽子は無事彼の場所に戻ったし、俺は美味いラーメンとソフトクリームを食べることができた
「えーと、麦わら帽子って男の子なの?」
「かもしれない。それは我々の心が決めることだ」
「そっか」
 舞子少女もここが引き際だと悟ったのだろう。会話が途切れた。俺は改めて、彼女に別れを告げた。
「では舞子君、さらばだ」
「うん。元気でね、義矢留家さん」
「ありがとう。君も達者でな」
「またいつか、ここに来てね」
「もちろん、海ラーメンが俺をこの地に引き寄せるだろう。その時には君と再び邂逅することもあるかもしれない。ないかもしれない。それは天の神様の采配次第だ。あとは野となれ山となれだ」
「んー、何ていうか、やっぱり適当だよね、義矢留家さん」
「いや、俺は常に全開フルパワーだ。次に君に会うことがあれば、その時は俺の懐はもっと温かくなっているに違いない。楽しみにしていてくれ!」
「持ってるお金の量は言わなくていいからね」
「イエスイエス、グッドバイ!」
 俺は舞子少女に背を向け、まだ見ぬ新たなバイト先へと足を進めた。
「バイバイ」
 と、彼女の声が後ろから聞こえた。振り向けば、彼女が大きく両手を振ってくれていた。最早もやしほどの大きさだが、舞子少女のオーラが放散されているためよく見えた。俺は片手を天に突き立てて、彼女に最後の別れを告げた。
 夏はまだまだ続いていく――。

by SOrow in  

きんダン!あとがき

全体のお話

 きんダン!のあとがきを書いてみたらやたらと長くなりました。私がうろ覚え星人なので諸々の正確な時系列はkazaさんにお任せするとして、それ以外の思い出が以下の通りです。
 今記憶にもっとも鮮やかに残っているのは「年末年始ヤバかった」ということでしょうか。TGF2016MCの締め切りも重なっていたので余計にアレでしたね。振り返るとよくあれだけの作業をやったなあという感じです。色んな意味で夢のような時間でした。
 共同制作中はkazaさんと主にツイッターのDMでやり取りしていたのですが、そのログを見るにふりーむさんのコンテストに間に合わせようということで具体的に動き始めたのが11月20日頃ですね。その前から共同制作のために色々動いていましたが、一度頓挫させて、そこからまた再始動となったのが多分11月20日あたりで、kazaさんに基本的なコモンを作っていただいて本格的に全体の制作がスタートしたのが12月3日頃でした。それからウディタ新バージョンにしてワイド画面にしたり立ち絵を直したり敵やアイテムデータを作ったりバグを潰してもらったり演出を加えたりで、ダンジョンパートが暫定的にできあがったのが12月20日以降だったような。私がある程度バランス調整した後にkazaさんが見直してくれて耐性ゲー要素がかなりスッキリしたのですが、その分完成が少しずつ確実に後に後にとずれ込んでいきまして、ダンジョンにめどがついた時点で足りないシナリオをkazaさんに作っていただくにしても時間ヤバイということでADVパートとして表示させるティラノ的なスクリプトをシナリオを貰った傍から私が入れるようにして、12月31日ギリギリまで作業してた感じです。ただそれでも不足部分はあったので、アプデをしていって(このアプデはほぼkazaさんにお任せです!)(胸を張ることではない)、1月24日にアプデ完了となりました。入れたい要素を入れきって完成するまでは実質二ヶ月くらいだったのかな? しかし12月の作業量が尋常じゃなかったですね。終盤特に12月31日に間に合わせるために空いてる時間を全部ぶっこんだ感じです。その場その場での問題発生→仕様変更の流れもヤバかった。時間的にヤバかった。間に合ったけど間に合わなかった。ただその都度柔軟に対応できた分、ここをこうすればよかった、という仕様上の後悔は残っていない気がします。時間的にクオリティが犠牲になった面も否めませんが、じっくり作っていたらあそこまである意味突き抜けたものはできなかったかなあとも。勢いがなければ達せられない境地もあるのだなあという感じです。じゃあまた同じ期間で同じ作業量をこなしたいか、といえばNOです。ノーモア地獄ブースト!

UIのお話

 最初画面サイズ800*600でやっていたのですが、出ていた新ウディタの方が処理が軽いのとワイドを選べるようになったのとで、どうしようかーと話した末に新ウディタに移行しました。画面サイズは縦をあまり変化させずに済むワイドな1024*576に変更。で、必然的にダンジョンのUI系の配置のやり直しとなりまして。空いたスペースにどの情報を表示するか、どこに置くかを決めるのに結構時間かかりましたね。ワイド画面になることでダンジョンのマップのチップ位置を比率から求められなくなったので(このあたりkazaさんがやってくれたので私のこの説明は正しくない気がする!)、マップの位置は800*600でやっていた位置に固定で、使える余白の位置が決まってたのですね。ここにどう情報をねじ込んでいくかと。ギミック設定は必須なのでマップに近く視線をあまり動かさずに済むところに置くのはあまり迷わなかった、いやそれも結構迷いましたね。最初右側か左側に置いてたかもしれない。他は宝箱の中身を左側に入れるとして、それが見づらくないけど文字がはみ出ないというフォントサイズとバランス取りが地味に時間かかったり、右側が空いてるから敵情報も入れてしまおうとしたらどれをどこまで入れるかという問題が生じたり。この辺の試行錯誤は思い出すだけで疲れてきます。自分で何度も何度もテストプレイして感触と見通しを確認して、頭で計算するだけだとプレイしづらいのでNOWとNEXTGETを入れて、なるべく視線移動が多くならず、ある程度慣れれば上のギミックとNOWとNEXGETを見ていればOKという状態に持っていけたかなとは思いますが、実際あれでよかったかどうかは謎ですね。どうなんだろう。不足がなければいいかなーとは思うのですが、特に反応もないあたり画像を逐一作っていったことで統一感に欠けちゃったかなあとも感じます。個々でダンジョンっぽさを出したかったのだけど、もっと全体の雰囲気を合わせた方がよかったかもしれない。まあでもゲームとして分かりづらくなっていなければいいなと思います。
 ちなみにUIの変遷画像を載せようかなーと思ったのですが、データを残していませんでした。容量ヤバくて削除していた! こういうのは逐一作業報告としてウェブ上に残しておいた方が振り返りやすそうですね。ただそういう進捗発表するのがめんどいという私の性質がアレでした。

データのお話

 アイテムとかの数値作りの話です。これまでさらの状態からデータを作った経験がなかったので、どうやるかというところからのスタートでした。ただその前あたりでツイッターで成長曲線の話を見かけて、それ自体を知らなかったのでググってみて、なるほどRPGのデータってこういう感じにやればいいのかーと。

>参考:ゲーム制作で使える!経験値テーブルの作り方のコツ | Taiyo Project

 これは経験値だったのですが、今回は資金で敵を倒すという形にしたので、得られる資金を成長曲線的に増やしていけばいいのでは? とやってみたところ、インフレ度がヤバくなりまして。段々多くなっていく形なんだから当たり前だよ!(やらないと分からない奴) で、これは掛け率抑えないと駄目だということで、途中まで下階層の1.2倍、終盤で1.1倍にするようにしました。この掛け率を出すのにまず借金総額を決めるところから始めたんだったかな?(うろ覚え) ウディタで表示できる桁の限界やオーバーフローの懸念も踏まえて、まあ1億くらいにすれば借金的にデカイんじゃないかという結論になった気がします。で、とりあえずざっとは作っておきたいので、50階の総計を1億くらいになるように分けてみようと。それを最初1階500Gスタートにしてみたら、終盤のインフレ度がまあヤバイ。最後の方は1フロアで1000万以上稼げちゃう。これは初期数値が少なすぎるからではないかということで、1000Gとかにもしてみましたが、結局5000Gスタートで少しずつ増やしていくのが良さそうだとなりました。多分。なったはず(うろ覚えパート2)。
 あとは総額に対するお金・アイテム・武器・防具・装飾品のバランス、防具のHPと素早さ・敵のHPと素早さと攻撃力と属性と状態異常付与力、装飾品のHP素早さor耐性、これらを固めていくことに。と書きましたが、最初は防具に他のパラメータも入れるかーという話もありましたですね。状態異常も6個ではなく8個でした。ただ計算すべき要素が多くなると私が手に負えなくなるので状態異常2個はカットしてもらい、主要パラメータはHPと素早さと敵の攻撃力のみということに。それ以上あったら多分私の頭がパンクしていたと思うので、削らせてもらえて助かりました。
 で、まず5個の取得物の価格を使い勝手によって1階層中の総合金額をベースとして、比率で分けていきました。アイテム類はショップで売る時は半額なのでお金以外は倍額にして、お金とアイテム類の差異を出すように。その中で初期ではもっとお金を多くしてましたが、途中でこれ宝箱全部お金だけ取れば無双じゃないかということに気付きまして、今更過ぎるだろお前!とセルフツッコミも入れつつ、お金の比率を低くしました。武器は価格としては低めだけど効果は割増でダンジョン内で使った方がお得と。結構この武器ごとの比率も悩みましたね。敵のHPとの絡みもあるので。防具も基本的なHPと素早さをどうするかが敵の攻撃力との絡みもあって、個別には決められなかったかな。アイテムも回復量と状態異常回復をどうするかは最終的な形になるまで時間がかかったかもしれません。でも一番の苦労は装飾品ですね。この耐性と敵の属性状態異常付与力をどうするかと。これを何とかひねり出しましたが、私が作ったのは結構面倒なことになってたので(一つ装飾品を取り逃すと耐性が埋められない難易度)、最終的にこの辺はkazaさんが調整してくれました。10Fごとに突入できるというシステムとの兼ね合いもあって、うまいバランスになってるなあと。私が最初からそうできればよかったのですが、頭がもう限界でしたね。叩き台となるものを作れたのはまあマイナスではなかったかなと。
 ただ結局この資金割だと借金返済ムリゲじゃないかとなったり他にもどうするかというのがあったりだったので、ボーナスをダンジョンとしての特定階層突破ごとに発生させることにしたような気がします。それで丁度良くなったあたり最初の50階総額1億設定が間違っていたのではと思わないでもないというか明らかに間違っていたのですが、柔軟な仕様変更により丸く収まった好例ということでですね。最後に辻褄が合えば無問題戦法です。
 ちなみにデータの名前は大体私がつけました。何かカッコイイ感じにしたかったのですが、頭が色々限界だったのかちょっと飛んでますね。別な方に。ストッパーがかからなかったようです。データ調整の過程でいくつかkazaさんが付け直してくれた名前もあるので是非探してみてください。マジ格好良いのがそれです。自分でつけたもので個人的なお気に入りはタートル姉妹のオシャレ甲羅ですね。文字数による表示を確かめるのにも役立ちました。どんな甲羅か想像していただければ嬉しいです。

仕様のお話

 最初の段階でkazaさんによる世界観は決まっていたのですが、それをどうゲームとリンクさせるか、ダンジョンをどういうものにするかということは確定的ではありませんでした。そこでまずkazaさんが元々別ゲーム用に作っていたダンジョンシステムを提供してくれまして、それをベースにして組んでいこうと。スタートからのkazaさんの力が半端じゃなかったです。kazaさんなしには語れないゲームです。
 そうして提供してもらったダンジョンに宝箱をどう置くか、作る過程で決めていきました。1Fごとの個数をどうするか、中身をどうするか。中身は最初宝箱のデザインによって分かれていたのですが、歩くごとに変化する数字(ロール値と定義していたけども作中では未登場)と対応させた方が思考性が増していいんじゃないかという感じで現在の形になりました。個数は多分最初から4個でそれがしっくりきて4個だった気がしますね。ダンジョンの広さは最初全解放型で、それだとギミックと罠の少ない序盤がスカスカ感があるので四方を岩で囲い順次解放型となりました。この辺もテストプレイを通して確かめたような。
 そんな具合に仕様をガチガチに固めてのスタートではなかったので、終盤の問題発生→仕様変更の流れがヤバかったというわけです。ヤバかった。時間的にヤバかった。10Fごとにメルモによる帰還とサブイベ発生も終盤になってから固めたことだったりします。とりあえずゲームとしてダンジョン部分を作っていこうと進めていって、その過程でシナリオとの折衝で仕様変更を行っていったような。大きな仕様はスカイプチャットで話し合いました。世界観・シナリオ・ダンジョンの噛み合わせが難しかったかなあ。タイトルにダンジョンテスターという名称を入れることにして、そのダンジョンテスター要素をどうゲームでも表していくか、サブイベントはどのタイミングで入れていくか、などなど。私が結構作る側としては細かい部分が気になるタイプだったので、kazaさんに無理を言ったこともありました。申し訳ないです。ただkazaさんがその都度しっかりと対応してくれたので、あそこまでの形にすることができましたね。ありがたかったです。kazaさんとでなければ途中で破綻していたか、完成させられたとしても仕様面で悔いを残したのではないかと思います。お互いできる限り妥協はしたくないタイプだったのが功を奏したのかなあと。終盤ヤバかったですが。何度書いても足りないくらいヤバかったですね。ヤバかったです。
 仕様といえば武器や防具や何やかやも最初の最初の時点では若干ふわっとした状態でしたね。金銭魔法ということでお金をそのまま使うのは決まってましたが、武器や防具、最初にあった装備品の帽子なんかはそれぞれに使える魔法が付与されている形でした。でもどうするか話し合った末に、いちいち変化させると面倒だから価格で一本化しちまおうぜ! 防具もHPと素早さあればいいんじゃないかな! 的な具合で締め切りまでに残された時間を踏まえてシンプル化させていったような。データ名にアイコンつけたのも終盤からでしたね。計画は立てた方が良いに決まってますが、何か疑問があればその都度相談できる状態だったのは、ブレや思い残しが生じにくくてよかったかなとも思います。

役割分担のお話

 最初に決まってたのは「システム・シナリオ:kazaさん」「フリー素材以外の画像関係:私」でした。ただそれだとkazaさんの作業量が多すぎてデータ入れ間に合わんぞということで、データは私が作ることに。それ以降はどちらが何をやる、とハッキリとした規格はありませんでした。作っていく過程で必要なもので私が苦手な部分(BGMの選定やシステムの追加修正など)をkazaさんにお願いして、kazaさんから新たな画像作成依頼がきたらこちらで作って送り付けていく、という形で。またデータ入れをやる上で私の方がダンジョンテストプレイを行う回数が多かったので、そこでバグ報告や演出入れなどをやっていき、kazaさんはバグ修正とシステム用の各種コモンとレイアウト作りとこちらのミス修正をやってくれていました。そんな感じで自然と役割分担されていたかなと。お互いのできることをひたすら形にしていくターンでしたね。基本的な仕様等については意見を出し合って結論を出せたので、ドタバタしつつも完成まで持っていけたのかなあとも思います。でもまあヤバかったですね。ヤバかったです。先送りにした方が良いのでは期が幾度もありつつも、ここまでやったんだから何とかかんとか間に合わせたい、という感じでした。完成させられて本当に良かったです。
 今思う反省点としては、データの同期を各々のアップローダーでやっていたので、ここはこちらで仕組みを作った方がスムーズなやり取りができたかなーと。当時はそこまで周辺環境を整備する余裕がなかったのですが、次に何かやるとしたらウェブ上の環境整備をしっかりしたいなと思います。あとはまあもっと余裕をね。時間的余裕大事です。

イラストのお話

 キャラの立ち絵についてはkazaさんに設定とイメージを頂いて、それを自分なりに形にした感じです。可愛い女の子が好きだけども女の子をパッと可愛く描けないのが自分の課題だったのですが、今回はもうkazaさんにシナリオを書いていただくということで、とにかく頑張りました。とはいえ自信はなかったので、kazaさんに喜んでもらえたのが本当に嬉しかったですね。絵柄としてはとっつきやすい形にしたかったのですが、自分の絵としてふんわりとはいかないため、ちょっと尖っちゃってるかなーとも。まあでも全員描けて良かったです。自分だと描かない容姿のキャラもいて作業自体が楽しかった。ただシナリオに合わせて表情差分を増やしていったら全員分の口開け口閉じとかも入れないと気が済まなくなったのですが、時間がね。時間が本当にヤバかった。でも個人的に納得いく形にはできました。そんな中で救いになったのがメルモです。メルモ。差分が特に要らなかったメルモ! 助かりました。キャラとしても好きですね。どのキャラも好きですが、思い入れがあるのはやはりヴィヴィとナヴァロです。ヴィヴィはキャラチップも作ったので、できる限り表情差分も作らずにはいられない感じでした。ナヴァロのツッコミ顔も使うのが楽しかったです。ツッコミが鋭い! 唯一のツッコミ役という大役を担ったナヴァロ君! kazaさんのシナリオが面白いので、そこに立ち絵を加えていくのも面白かったですね。個人的に色んな意味でやりきった感があるのはリムリットのサブエピソードです。あれは締め切り前のテンションがなせた業だった気がします。リムリットの表情差分も作るの楽しかったです。案外リアクションが大きくて動かし甲斐がありました。
 一枚絵については終盤一気に仕上げたものもあるので、クオリティ的なバランスにばらつきが出てしまいましたが、入れたいところには入れられたかなあと。kazaさんの依頼とは別に私が勝手に描いたものもあります。シナリオ見たらもう描かずにはいられませんでした。いやあヤバかったですね。kazaさんの短期間で仕上げたにも関わらずのシナリオのクオリティが良い意味でヤバくて、残り時間が悪い意味でヤバかったです。

終わりのお話

 総評としては「ヤバかった」ですね。いやもうヤバかったです。まあヤバかった。けれども振り返って苦しさしかないというわけでは決してなく、楽しさも残してくれた制作でした。共同で作ると進捗報告の度に他の人の制作物を見られる楽しさがありますね。今回個人的にファンであるkazaさんと一緒にできたのが、自分にとって大きなモチベ上昇要因となりました。同じ期間で同じ作業量はやりたくないですが、共同制作自体はまたやってみたいなーと思います。TGF2016MCも面白かったですしね。ただTGF2016MCもあって去年の9月から結構動いていたので、やはり諸々余裕がなかったですね。ですから次は時間をね。時間的余裕大事です。余裕持とう!